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表面利回りと実質利回り — 収益を実際に削るもの

表面利回りは見出しの数字であり、実質利回りは建物・賃貸運営・税務がそれぞれの取り分を取った後に残るものです。本稿では両者を定義し、その差を生む費用を列挙したうえで、あえて仮定にもとづく一例(例示であり、所得税控除前と明記します)を計算します。利回りの数字を、見かけどおりにではなく、そのままの意味で読めるようになるためのものです。

執筆:Investment desk公開 2026年7月25日読了 6 分

表面利回りとは、1 年分の賃料を、費用を差し引く前の購入価格で割ったものです。実質利回りとは、住戸を保有し賃貸に出すための費用を差し引いた後に残るものです。両者の差は端数の違いではありません。共益費、仲介手数料と管理費、空室となった週、修繕、保険、そして税金であり、これらが合わさると、自信ありげに響く見出しの数字が目に見えて小さな実数に変わります。

当社の投資ハブにある計算ツールが算出する数字に「表面」と明記し、本稿へリンクしているのはこのためです。あの数字は、デベロッパーの募集賃料と掲載価格から組み立てた出発点にすぎません。計算としては誠実ですが、示しているのはトップラインだけです。以下では、表面と実質の間に横たわる各費用を説明し、続いて仮定にもとづく一例で差し引きをたどります。その例の入力値はいずれも手順を示すために選んだものであり、当社が提示する賃料・価格・利回りではありません。

要点

  • 表面利回りは費用控除前の価格に対する 1 年分の賃料。実質利回りは運営費用を差し引いた後に残るもので、実際に使えるのは実質だけ — それでもなお所得税控除前です。
  • 両者を隔てる費用は通常 7 つ。共益費、シンキングファンドへの拠出、仲介手数料、管理料、空室損失、維持修繕と保険、そして税です。
  • ここで唯一裏づけのある数字は共益費です。当社が取り扱う物件のうち公表されているもので 45 ~ 70 バーツ/m²/月(2026 年 7 月時点の価格表)。シンキングファンドは通常引渡し時の一括であり、当社の取扱在庫では金額が公表されていません。
  • あえて仮定にもとづいた例では、通常の費用を数えただけで表面 4.8% が実質約 3.1% に下がります — しかもなお所得税および土地建物税を引く前です。
  • その例の入力値はすべて例示です。表面の数字は実績賃料ではなく募集賃料に立脚しているため、実質の数字も費用を考えるための道具であって、当社が提供したり期待したりする収益ではありません。
  • 賃料収入は歳入法典第 40 条(5)にもとづき課税対象です。法人の借主は 5%(非居住者オーナーには 15%)を源泉徴収し、土地建物税法(仏暦 2562 年)が少額の年税を加えます。

表面利回りと実質利回りの違いは何ですか?

表面利回りは 12 か月分の賃料を購入価格に対する百分率で表したものであり、実質利回りは同じ賃料から年間の運営費用を差し引いたものを価格(より厳密には、移転諸費用や家具設備を含めた投資総額)に対する百分率で表したものです。表面は「価格に対して賃料はどう見えるか」に答え、実質は「税引前に実際に手元へ残るのはいくらか」に答えます。実際に使えるのは後者だけであり、その後者ですら、断りがない限り所得税を差し引く前の数字です。

この区別が最も効いてくるのは、二つの住戸を比較するときです。表面利回りの高い割安な住戸のほうが、高価な住戸より実質利回りが低くなることがあります。小さな住戸でも共益費はかかり、管理は必要で、入居者の入れ替わりの間は空室になるからです。表面は良く見せ、実質は選別します。販売資料が、どちらであるかを述べずに利回りを掲げているときは、良く見えるほうすなわち表面だと考え、費用を引いた後にどうなるのかをお尋ねください。

表面利回りを実質利回りに変えるのはどのような費用ですか?

両者の間には通常 7 種類の費用があり、建物が課すもの、賃貸運営にかかるもの、そして税に分かれます。順に見ていきます。

共益費(管理法人費用、いわゆる「メンテナンス費」)は、共用部分の維持のために各区分所有者が継続して負担する費用で、コンドミニアム法(仏暦 2522 年/1979 年)にもとづき、1 平方メートルあたり月額で定められます。当社が取り扱う物件のうち、共益費が公表されているものでは 1 平方メートルあたり月額 45 ~ 70 バーツの幅に収まっています(各デベロッパーの 2026 年 7 月時点の価格表から算出)。30 m² の住戸であれば、年間およそ 16,200 ~ 25,200 バーツです。住戸を賃貸に出しているかどうかにかかわらず支払義務があります。

シンキングファンド(修繕積立金)は、大規模修繕に備える建物の資本準備金への別個の拠出で、これもコンドミニアム法に定めがあります。通常は年間費用ではなく引渡し時に一括で徴収されるため、利回り計算よりも取得時の予算に属します。ただし、準備金が乏しくなれば建物側が追加拠出を求めることがあり、だからこそ基金の健全性は確認する価値があります。当社が取り扱う開発案件はシンキングファンドの金額を公表していないため、当社も数字を挙げません。

賃貸運営・管理の費用とは、入居者を見つけ賃貸借を回していくために要するもので、仲介業者の手数料(一般に賃料の一部)と、ご自身で管理されない場合の継続的な管理料です。空室損失は、入居者の入れ替わりの間に受け取れない賃料です。よく貸せている住戸でも、毎年 365 日埋まっていることはまれで、1 か月空けば 1 か月分の賃料が失われます。維持修繕は、経年、設備機器、定期的な内装更新をカバーし、保険は所有者として負う家財と賠償責任をカバーします。いずれも固定額ではなく、まさにそのために実質利回りは一点の値ではなく幅として示されます。

最後に来るのが税です。賃料収入は歳入法典第 40 条(5)にもとづく課税所得であり、タイの個人所得税の対象となります。借主がタイの法人である場合、借主が賃料の 5%(非居住者であるオーナーに対しては 15%)を源泉徴収し、最終的な納税額に充当されます。これとは別に、土地建物税法(仏暦 2562 年/2019 年)が住戸の評価額に対する少額の年税を課しており、2026 年は満額の税率で徴収される最初の年です。税額はご自身の居住者ステータス、保有期間、保有形態によって変わるため、以下の数字はいずれも所得税控除前で示しています。詳細は外国人不動産投資家向けの税務に関する解説にまとめています。

計算は実際にはどのようになりますか?

以下は、表面がどのように実質へ変わるかを示すためだけに選んだ、完全に仮定の入力値による計算例です。当社が提示する住戸・賃料・利回りではありません。30 m² の住戸を 3,500,000 バーツで購入し、仮に月額 14,000 バーツで賃貸するとします。年間賃料は 168,000 バーツですから、表面利回りは 168,000 ÷ 3,500,000 = 4.8% となります。

ここから 1 年分の費用を差し引きます。共益費は、出典のある 45 ~ 70 バーツ/m²/月の幅の中間を取り、およそ 55 × 30 × 12 = 19,800 バーツ。仲介手数料は、入居者募集に賃料 1 か月分として 14,000 バーツ(相場ではなく仮定です)。空室損失は、年に 1 か月空くと仮定してさらに 14,000 バーツの賃料が入らないものとします。維持管理、小修繕、保険は合わせて 10,000 バーツと仮定します。この 4 項目の合計は 57,800 バーツです。

残るのは 168,000 − 57,800 = 110,200 バーツ。実質利回りは 110,200 ÷ 3,500,000 = 約 3.1% となります。しかもこれは、なお所得税を引く前、かつ年間の土地建物税を引く前の数字です。この例では、見出しの 4.8% が、通常の費用を数えただけで約 3.1% になり、3 分の 1 以上下がっています。空室期間を長く見る、管理委託契約を結ぶ、共益費が低い — 仮定を一つ変えれば実質の数字は動きます。その感応度こそが要点であり、一つの利回りの数字だけでは、それ自体はほとんど何も語らない理由でもあります。

なぜ実質の数字でさえ予測ではないのですか?

そこに含まれるすべての数字が、募集条件か仮定のいずれかであり、いずれも約束ではないからです。表面利回りの土台となる賃料は、締結済みの賃貸借から得られた実績賃料ではなく、デベロッパーが公表する募集賃料です。空室、管理、維持の各項目は、市況・建物・年によって変わる見積りです。仮定を掛け合わせても確実にはならず、むしろ不確実性は積み重なります。実質利回りは費用について考えるための道具であり、当てにできる収益ではありません。

したがって、トップラインには投資ハブの表面利回り計算ツールをお使いいただき、そのうえで本稿を読んで誠実に割り引き、いずれかの数字を信頼できるものとして扱う前に、バンコクのコンドミニアム投資における現実のリスクに関する解説をお読みください。賃貸に出されるおつもりであれば、賃貸借とその書面化、管理の取り決め、税務申告はそれぞれ別個の業務です。賃貸借の組成・登記および移転後のサービスが、賃貸借と管理法人まわりの取扱いを定めており、海外から住戸を運営することについては賃貸管理に関する解説で扱っています。率直にまとめれば短い話です。表面は見出し、実質は幅、そして収益はそのどちらでもありません。

本記事の範囲

  • 計算例は手順を示すために仮定の入力値を用いたものであり、予想でも予測でもなく、提供・期待・保証される収益でもありません。Suwanvara Property はいかなる利回りの数字も検証・推奨しません。また、過去の賃料および価格は将来の結果を示すものではありません。
  • 唯一裏づけのある数字は共益費の幅(45 ~ 70 バーツ/m²/月)で、当社が取り扱う物件のうち共益費が公表されているものについて、各デベロッパーの 2026 年 7 月時点の価格表から算出したものです。市場平均ではありません。例中の仲介手数料、管理料、空室、維持修繕、保険の数字は仮定であり、出典のある料率ではありません。
  • 数字はいずれも所得税控除前、かつ年間の土地建物税控除前で示しています。実際の税額はご自身の居住者ステータス、保有期間、所有形態によって決まり、税率および減免も変更されます。いずれの数字にも依拠される前に、現時点の取扱いを当事務所にご確認ください。
  • 本稿は一般的な情報のみであり、税務・法務・投資の助言ではありません。住戸の賃貸、賃貸借の組成、税務申告は、Suwanvara Law Firm との別途の委任契約のもとで取り扱われ、仲介を通じて購入されるための条件となることは決してありません。

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各言語版の間に相違がある場合は、英語版が優先します。/ In case of any discrepancy between language versions, the English version prevails.

出典

本欄の記事は外国人購入者向けの一般的な情報であり、投資、税務または法律に関する助言ではありません。賃料収入、稼働率、利回りまたは資産価値の上昇について、予測、約束または示唆を行うことは一切なく、ここに示すいかなる数値も、Suwanvara Property が収益として検証または保証したものではありません。数値は、当社が保有するデベロッパーの価格表から算出したもの、名称を明示した公開情報源に帰属するもの、またはお客様ご自身が入力されたもののいずれかです。規則、料率および手続は変わり、個々のご事情も異なります。お客様ご自身の状況については、タイの税務および法律に関する助言をお受けください。

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